令和２年度健生病院病院指標

年齢階級別退院患者数
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
成人市中肺炎の重症度別患者数等
脳梗塞の患者数等
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）

年齢区分	0～	10～	20～	30～	40～	50～	60～	70～	80～	90～
患者数	194	93	223	296	321	371	751	1156	1391	507

　当院は津軽地域二次医療圏において、最も多くの救急搬送患者を受け入れています（2020年度は年間2,403件、地域の約25％）。また、小児二次輪番制にも参加しており、0～9歳が全体の3.7％となっています。
　入院患者の60歳以上で71.8％、70歳以上が57.6％を占めており、症状が比較的重症になりやすく、複合的な問題を有する高齢者の入院が多くなっています。

診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード

内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
060100xx01xxxx	小腸大腸の良性疾患（良性腫瘍を含む。）内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術	278	2.17	2.66	0	66.80
050130xx9900xx	心不全手術なし手術・処置等１なし手術・処置等２なし	143	27.82	17.23	2.10	82.28
060340xx03x00x	胆管（肝内外）結石、胆管炎限局性腹腔膿瘍手術等手術・処置等２なし定義副傷病なし	143	9.39	9.53	5.59	80.18
030250xx991xxx	睡眠時無呼吸手術なし手術・処置等１あり	65	2.02	2.04	0	58.20
060340xx03x01x	胆管（肝内外）結石、胆管炎限局性腹腔膿瘍手術等手術・処置等２なし定義副傷病あり	59	19.32	17.90	6.78	83.53

　小腸大腸の良性疾患（良性腫瘍を含む。）が最も多い症例となっています。
　高齢者の胆管結石、胆管炎等に対する治療も増えています。また、睡眠時無呼吸症候群に対する治療も増えており、比較的中年層の患者の割合が多くなっています。その他、脳梗塞、狭心症、急性心筋梗塞、内分泌・代謝疾患、血液疾患などの診療も行っており、内科疾患に広く対応しています。

総合診療科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
040081xx99x0xx	誤嚥性肺炎手術なし手術・処置等２なし	187	20.10	20.51	14.97	83.00
110310xx99xxxx	腎臓又は尿路の感染症手術なし	141	16.84	13.00	5.67	81.50
180030xxxxxx0x	その他の感染症（真菌を除く。）定義副傷病なし	68	10.62	10.76	7.35	49.10
050130xx9900xx	心不全手術なし手術・処置等１なし手術・処置等２なし	67	19.97	17.23	1.49	87.24
040081xx97x0xx	誤嚥性肺炎手術あり手術・処置等２なし	25	44.44	36.73	20.00	82.20

　誤嚥性肺炎（手術なし）が最も多い症例となっています。上位5位の平均年齢はおおよそ76.6歳で高齢の患者が多くなっています。
　上位5位中の４項目の症例で平均在院日数が全国より長くなっていますが、患者の年齢が高いこと、津軽地域医療圏に回復期や慢性期機能を持つ医療機関が少ないことによると考えられます。
　消化器や循環器、呼吸器といった従来の臓器観念にとらわれることなく、内科系疾患を中心に幅広くかつ柔軟に診療を行います。
当院では、2020年より新型コロナ病床を確保しており入院を受け入ているため、比較的に若い世帯のその他の感染症（真菌を除く。）が増加しています。

外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
060160x001xxxx	鼠径ヘルニア（15歳以上）ヘルニア手術　鼠径ヘルニア等	58	5.02	4.86	0	65.97
060210xx99000x	ヘルニアの記載のない腸閉塞手術なし手術・処置等１なし手術・処置等２なし定義副傷病なし	55	8.71	9.08	1.82	76.58
060100xx01xxxx	小腸大腸の良性疾患（良性腫瘍を含む。）内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術	51	2.35	2.66	0	71.84
060330xx02xxxx	胆嚢疾患（胆嚢結石など）腹腔鏡下胆嚢摘出術等	39	7.59	6.41	0	61.36
060335xx02000x	胆嚢炎等腹腔鏡下胆嚢摘出術等手術・処置等１なし手術・処置等２なし定義副傷病なし	38	8.29	7.23	0	63.89

　上位5位は上記の通りです。外科では悪性腫瘍の手術から、手術後の化学療法、定期的なフォローアップなど治療部位や内容によって多種多様な症例があります。
　悪性腫瘍に関しては、胃、結腸の他に大腸、乳房、肺、膵、食道の悪性腫瘍の診療も行っています。

整形外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
160800xx01xxxx	股関節・大腿近位の骨折人工骨頭挿入術　肩、股等	133	44.76	25.09	9.77	83.98
160690xx99xxxx	胸椎、腰椎以下骨折損傷（胸・腰髄損傷を含む。）手術なし	49	31.31	18.81	14.29	72.08
160760xx97xx0x	前腕の骨折手術あり定義副傷病なし	21	3.81	5.18	4.76	58.38
071030xx99xx1x	その他の筋骨格系・結合組織の疾患手術なし定義副傷病あり	16	32.50	18.27	0	83.81
160980xx99x0xx	骨盤損傷手術なし手術・処置等２なし	14	33.93	19.06	7.14	85.21

　　高齢者の外傷が多くを占めています。高齢の患者が多いため、整形外科の疾病のみではなく、併存症も含めた管理が重要となります。内科など他科とも連携しながら診療を行っています。
　併存症のある高齢の患者が多い事と、回復期リハビリテーション病棟を併置していることから平均在院日数は全国平均よりも長くなっていると考えられます。

産科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	平均年齢
120260xx99xxxx	分娩の異常手術なし	90	6.22	4.68	30.66
120200xx99xxxx	妊娠中の糖尿病手術なし	45	3.20	5.39	33.47
120180xx99xx0x	胎児及び胎児付属物の異常手術なし定義副傷病なし	31	7.10	6.13	30.71
120270xx99x0xx	産褥期を中心とするその他の疾患手術なし手術・処置等２なし	23	7.09	6.73	29.13
120140xxxxxxxx	流産	23	1.83	2.42	33.35

　最も多い分娩の異常（手術なし）は陣痛微弱、遷延分娩、児頭回旋異常、胎児徐脈、弛緩出血等が含まれます。上記の他、妊娠合併症や切迫早産の管理入院も行っています。
　集計には含まれない自然分娩が302件となっています。

婦人科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
120090xx97xxxx	生殖器脱出症手術あり	46	8.85	8.43	2.17	75.17
120060xx01xxxx	子宮の良性腫瘍子宮全摘術等	39	8.85	9.57	0	46.26
120070xx02xxxx	卵巣の良性腫瘍卵巣部分切除術（腟式を含む。）　腹腔鏡によるもの等	29	5.97	6.16	0	46.14
120250xx97x0xx	生殖・月経周期に関連する病態手術あり手術・処置等２なし	-	-	4.30	-	-
120100xx01xxxx	子宮内膜症子宮全摘術等	-	-	7.30	-	-

　当地域では、婦人科領域の悪性腫瘍は弘前大学医学部附属病院に集約されています。当院では良性腫瘍や高齢者の生殖器脱などの手術に対応しています。

小児科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
140010x199x0xx	妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害（出生時体重2500g以上）手術なし手術・処置等２なし	62	3.60	6.13	0	0
110310xx99xxxx	腎臓又は尿路の感染症手術なし	19	6.84	13.00	0	2.53
080270xxxx1xxx	食物アレルギー手術・処置等１あり	19	1.00	2.12	0	2.47
180030xxxxxx0x	その他の感染症（真菌を除く。）定義副傷病なし	10	3.90	10.76	10.00	2.90
150040xxxxx0xx	熱性けいれん手術・処置等２なし	-	-	3.96	-	-

　小児期では、急性気管支炎、急性細気管支炎などの呼吸器疾患での入院が多くなっています。
　小児科の入院患者で最も多い症例は、低出産体重児等の新生児となっています。当院では呼吸管理等を要する重症新生児の診療は行っていないため、重傷新生児は近隣の地域周産期センターへ母体又は新生児搬送としています。
今年度は小児の新型コロナ感染も発生しており、当院で受入可能となっています。

初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

	初発					再発	病期分類基準（※）	版数
	Stage I	Stage II	Stage III	Stage IV	不明	再発	病期分類基準（※）	版数
胃癌	37	12	35	46	-	-	1	7，8
大腸癌	46	21	74	48	-	15	1	7，8
乳癌	24	-	-	-	-	-	1	8
肺癌	-	-	-	14	11	-	1	8
肝癌	-	-	12	23	-	-	1	8

※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約

　UICC病期分類とは、国際対がん連合によって定められた①原発巣の大きさと進展度②所属リンパ節への転移状況③遠隔転移の有無の3つのカテゴリーによって、Ⅰ期（早期）からⅣ（末期）の4病期（ステージ）に分類するものです。「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断あるいは初回治療を実施した場合を指します。「再発」とは、当院・他院を問わずに初回治療が完了した後、当院で治療した場合や、がんの寛解後に局所再発または新たな遠隔転移を来した場合を指します。
　進行がんの状態になっている症例も多く、定期的ながん検診を推奨していく必要があります。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

	患者数	平均在院日数	平均年齢
軽症	10	8.00	50.40
中等症	60	16.60	76.43
重症	26	22.54	86.08
超重症	-	-	-
不明	-	-	-

　中等症の患者が最も多く、全体の5割以上を占めています。治療は、急性呼吸不全の管理、薬剤投与が中心となります。重傷度に応じて、人口呼吸器やVPPV等も活用し、病態に応じた呼吸管理を行っています。
　また、入院早期からセラピストによるリハビリテーションを開始し、廃用症候群の防止に努めています。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

発症日から	患者数	平均在院日数	平均年齢	転院率
3日以内	64	49.27	77.73	7.14
その他	20	24.70	80.50	14.29

　発症から3日以内の急性期脳梗塞が76.2％を占めています。当院が地域の救急搬送患者を積極的に受け入れていることが反映されていると考えられます。
　再発脳梗塞によって機能低下が著明な症例や合併症等の管理に時間を要する症例が比較的多いため、平均在院日数も長くなっていると考えられます。

診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード

内科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K7211	内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２センチメートル未満）	265	0.18	1.04	0	66.93
K688	内視鏡的胆道ステント留置術	209	1.66	13.13	1.91	80.89
K654	内視鏡的消化管止血術	36	1.33	13.58	5.56	69.53
K664	胃瘻造設術（経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む）	57	5.44	8.63	82.46	78.44
K6852	内視鏡的胆道結石除去術（その他のもの）	25	3.04	4.92	4.00	80.36

　内科での手術の多くは内視鏡によるものです。胃瘻増設術は嚥下障害、摂食障害の高齢患者の栄養経路を確保する目的で行います。ご本人またはご家族へのインフォームドコンセントを十分に行い、必要時には倫理カンファレンスを行った上で実施しています。

総合診療科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K664	胃瘻造設術（経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む）	19	35.37	45.74	15.79	78.79
K688	内視鏡的胆道ステント留置術	10	26.10	35.10	30.00	80.70
K386	気管切開術	-	-	-	-	-
K654	内視鏡的消化管止血術	-	-	-	-	-
K681	胆嚢外瘻造設術	-	-	-	-	-

　総合診療科での手術は、胃瘻増設術や気管切開術など、比較的に高齢で寝たきりに近い状態の患者の栄養経路と呼吸の確保を目的に行われています。

外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K672-2	腹腔鏡下胆嚢摘出術	83	1.80	6.55	0	63.88
K7211	内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２センチメートル未満）	50	0.18	1.04	0	71.76
K634	腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術（両側）	47	1.40	2.62	0	60.96
K719-3	腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術	31	2.77	14.16	3.23	67.61
K718-21	腹腔鏡下虫垂切除術（虫垂周囲膿瘍を伴わないもの）	30	0.73	4.27	0	43.73

　外科では腹腔鏡を用いた低侵襲手術が増えてきています。腹腔鏡下手術は開腹術と比較し術後の回復が早いというメリットがあります。
　術前管理から退院後の管理までトータルに支援する診療に努めています。

整形外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K0461	骨折観血的手術　肩甲骨、上腕、大腿	102	2.06	38.84	7.84	81.18
K0811	人工骨頭挿入術　肩、股	56	3.18	39.41	12.50	82.46
K0821	人工関節置換術　肩、股、膝	22	2.82	36.86	0	67.91
K0462	骨折観血的手術　前腕、下腿、手舟状骨	18	1.72	8.89	5.56	58.28
K0463	骨折観血的手術　鎖骨、膝蓋骨、手（舟状骨を除く。）、足、指（手、足）その他	11	1.64	14.09	0	49.09

　上位2位の症例の平均年齢が81.2歳、82.5歳となっており、高齢者の転倒等による外傷に対する手術が多く行われています。

産科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K9091ｲ	流産手術（妊娠１１週まで）（手動真空吸引法）	22	0	0.82	0	33.45
K893	吸引娩出術	19	0.63	5.00	0	29.79
K8982	帝王切開術（選択帝王切開）	19	2.95	7.26	0	32.63
K8981	帝王切開術（緊急帝王切開）	-	-	-	-	-
K8963	会陰（腟壁）裂創縫合術（分娩時）（腟円蓋に及ぶ）	-	-	-	-	-

　2019年度の出産件数は354件でした。内訳は、自然分娩302件、帝王切開分娩31件、吸引分娩21件となっています。

婦人科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	平均年齢
K877	子宮全摘術	41	1.10	7.59	47.22
K8882	子宮附属器腫瘍摘出術（両側）（腹腔鏡）	33	0.97	3.85	42.76
K860-2	腟断端挙上術（腟式、腹式）	28	1.18	7.11	74.29
K8654	子宮脱手術（腟壁形成手術及び子宮全摘術）（腟式、腹式）	17	1.41	6.00	77.47
K861	子宮内膜掻爬術	17	0	1.29	41.94

　当地域では、婦人科領域の悪性腫瘍は弘前大学医学部附属病院へ集約されています。当院では、良性腫瘍や高齢者の生殖器脱などの手術を主に行っています。低侵襲の腹腔鏡手術も積極的に行っています。

その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード

DPC	傷病名	入院契機	症例数	発生率
130100	播種性血管内凝固症候群	同一	-	-
130100	播種性血管内凝固症候群	異なる	-	-
180010	敗血症	同一	-	-
180010	敗血症	異なる	12	0.23
180035	その他の真菌感染症	同一	-	-
180035	その他の真菌感染症	異なる	-	-
180040	手術・処置等の合併症	同一	-	-
180040	手術・処置等の合併症	異なる	-	-

　播種性血管内凝固症候群や敗血症は、DPCで高額な点数が設定されており、臨床的に根拠のある診断が必要です。
　播種性血管内凝固症候群で、DPC病名と入院契機病名が異なる場合の入院契機病名は、敗血症性ショック、虫垂炎性汎発性腹膜炎でした。

　手術、処置などの合併症にあたる症例は、ペースメーカー植え込み後感染症、人工股関節脱臼、胃空腸吻合部狭窄、術後腹壁膿瘍などでした。
　手術、処置などの際には合併症を起こさないように細心の注意を払って実施しています。しかし、合併症は細心の注意を払っていても、一定の確立で起こり得ます。起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者さんに説明した上で、手術、処置の施行に同意を得て実施しています。

更新履歴

2021.09.28: 「病院情報の公表」における病院指標（令和２年度）を公開しました。

津軽保健生活協同組合 健生病院 病院指標（「病院情報の公表」Webページ ）

令和２年度 健生病院 病院指標

津軽保健生活協同組合　健生病院　病院指標（「病院情報の公表」Webページ）

令和２年度健生病院病院指標